鉄道模型愛好者として、JR西日本が引き起こした福知山線脱線事故に思うこと

2005年4月25日の朝 私の住む関西としては、非常に大きな事故が発生しました。
JR西日本の福知山線に置いて発生した、脱線転覆事故です。

あれから9年が経過しました。
この事故で、亡くなられた方のご冥福と怪我を負われた方々の1日でも早い回復を祈ります。
また、関係者様においては、その後の心痛の思いが少しでも軽くなればと思います。

事故、その物については、亡くなった運転手、JR西日本の管理、運営体制、当日同じ列車に
乗り合わせながら救護活動をしなかった、JR西日本の職員の問題等が多々あると思います。
これらは、今も裁判等が続いていたり、ココに対策が行われつつあると思いますので、
今後も一利用者としても、成り行きを見て行きたいと考えています。

ここで、私の心情を少し書かせていただきたいと考えます。

この2005年の翌年、2006年の夏に大阪のインテックスにて、日本国内として鉄道模型の祭典
JAM 国際鉄道模型コンベンションが開かれました。
この会場に私も訪問し色々なレイアウトや各メーカーのブース等を巡りました。

この時に、私は非常に悲しい思いをしました。
鉄道模型コンベンションという会場ですので、楽しく面白いイベントでしたが、たった一人の
心無い発言を聞いたからです。

当時、この福知山線脱線事故の車両 JR西207系はトミックスより販売されていましたが、事故を
キッカケにして販売が中止されていました。

会場のトミックスのブースにて、一人の男性がメーカーの担当者氏に対して、このJR西の207系
車両の販売を再開して欲しいと言っていました。
私としては、模型愛好者としてJR西の207系の再販は時期を見て、して頂いてもいいのでは?と
考えてはいましたが、この男性の次の言葉に驚きました。

"事故車両の特定車両を販売しろ!そうすれば売れる! なんなら事故車両の壊れる前と事故現場
を再現したモノを作れ!"と言いました。

正直言うと、これはいくらなんでも!というのが私の思いです。

私も鉄道模型の愛好者ですが、こんな物は欲しいとおもいません。
鉄道は本来、安全に早く、確実に目的地に誘ってくれる乗り物であり、その姿を見たい、手元に
置きたいと考えており、事故現場を復元したジオラマなどは欲しいと思いません。

これを発言した輩は何を考えているのか? 担当していた人もあからさまに嫌な顔をしたのを見ても、
この輩はまだ、作ったら!絶対に売れる!などと話を続けていました。
私は、このやり取りを聞いて、その場を離れました。

しばらく別のブースを見て回っていると、販売ブースから怒声が聞こえて来ました、
"横入りするな!"
見ると、さっきの"作れ"っと言っていた輩が、他の男性から突き飛ばされていました。

色んな輩がいるとは思いますが、この一件というか、この日は何となく頭から離れずに有ります。

毎年、この4月25日の脱線事故の報道に接する度に、事故の悲惨な状況、その後の顛末と比べて、
この翌年に見た、嫌な奴を思い返してしまいます。

この悲惨な事故を風化させずに、再発を防止するためのモノとして、ジオラマが作られ、展示され
鉄道運行者の方たちの再発防止に役立つ様なモノであれぱ、いいのですが、個人レベルで楽しむ?
様なものでは無いと思います。

正直、今もJR西の207系は、塗色を代えて走っています。
その車両に乗る時、今でもあの事故を思い返します。
直接被害に合っていない、私ですら、こう言う思いをいだきます。
これが当事者の方々で有れば尚更のことであり、それを模型として販売するということも、当事者
の方の心情を察すれば、販売が中止された事も已む無いことだと思います。

こう言う感情を、模型愛好者として共有出来ないことに寂しさを覚えました。

最後に、改めて事故で亡くなられた、多くの方のご冥福をお祈り致します。


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